働きざかりの中高年脳卒中闘病記(灯病記:高血圧は命にかかわる病気です)

46歳にして、突然に襲ってきた脳出血という予期せぬ大病。発病後10年経過し、振り返りまとめてみました。病と闘った闘病記ではなく、自分自身をどこかに導いてくれる灯台のように感じましたので灯病記としました。


 

脳梗塞発症直後の症状と脳内出血発症との違い

   脳梗塞直後の症状は、血管が梗塞(詰まった)した箇所、

   梗塞していた(詰まっていた)時間によってさまざまですが、

   一般的には以下のような症状がみられます。

 

運動機能障害(いわゆる片麻痺といわれる症状です)

   右脳で梗塞が生じた場合には、左半身が痺れたり麻痺します。

   左脳で梗塞が生じた場合には、右半身が痺れたり麻痺します。

 

   梗塞を発症した脳の反対側半身に麻痺症状が現れます。

   麻痺と同時にしびれを伴う場合もあります。

     f:id:syosakoi:20151127230818j:plain

 

感覚障害

  運動機能障害に加えて感覚障害が現れることがあります。

  冷たい・熱いとかの感覚が鈍くなったり、逆に鋭敏になったりします。

  火傷などをしても感じなくなることもあります。

 

言語・咀嚼障害

   言語中枢は右利きで95%以上、左利きの人は70%以上が

   左大脳半球にあるといわれています。

   言語中枢で梗塞が起きると、ろれつが回らなくなったり、

   話すことが困難になったり、食べ物を咀嚼できなくなったりします。

   長島さんが、この症状です。

 

          f:id:syosakoi:20151128000309j:plain

高次脳機能障害

   記憶・判断・人格など人間の複雑な意思決定を司る箇所が

   梗塞によりダメージを受けると、会話がかみ合わなくなったり、

   記憶が不鮮明になったりします。

   また人格が全く変わってしまうこともあります。

   見えているのに物を認識出来なくなる失認状態になることもあります。

 

脳梗塞と脳内出血と症状の違い

  脳の同じ箇所で発症すれば、梗塞も出血も同じような症状が現れます。

  しかし出血の場合は、出血によって神経細胞が直接破壊されるので

  発症直後すぐにはっきりした症状が現れます。

 

  脳梗塞の場合は、当初は指先が痺れるだけだったのが、

  時間が経過するに従い、半身に広がるようになります。

 

  逆に言うと脳梗塞の場合は、早期発見して対処できれば、

  後遺症が残らずに回復することができる可能性があるということです。

 

  長島さんの場合は発症したときに家族不在で、

  病院に搬送されたのは発症後8時間を経過していたそうです。

      f:id:syosakoi:20151128000035j:plain

  皆さんもご家族の方に、指先のしびれや言葉がおかしい症状がでたら、

  すぐに119番して対応する必要があります。

  

  脳梗塞の対処方法は、以前に比べて大変進歩しています。

  投薬により血液を流れやすくしたり、血栓を溶かしたりするばかりでなく

  脳血管内に詰まった血栓を物理的に取り除き、脳血管を再び開通させる

  血栓回収デバイス」は名前のとおり、血栓を回収機器で、

  足の付け根からカテーテルを通し、先端から伸びた形状記憶ワイヤーが

  脳血栓をからめとる仕組みです。

 

  梗塞した血管部分に直接ステントを入れて

  すぐに血流を回復することができるようになりました。

 

  軽い脳梗塞の症状が一旦収まっても、

  1、2週間後に再び発症することもありますので

  症状が現れたときには、必ず脳神経外科を受診するようにしましょう。

 

     f:id:syosakoi:20151128000058j:plain

  脳神経外科でCT,MRI,造影検査などを行っても、

  梗塞部分が発見できない場合もあります。

  確認できないほど末端の毛細血管の梗塞であれば、まず一安心です。

 

  脳梗塞と思われる症状が現れた場合には、徹底的な検査を行う必要があります。

 

  脳梗塞の治療では

  「Time loss is Brain loss(時が失われると脳が失われる)」が大前提です。

  早く治療を受けるほど重い後遺症を免れることができます。