働きざかりの中高年脳卒中闘病記(灯病記:高血圧は命にかかわる病気です)

46歳にして、突然に襲ってきた脳出血という予期せぬ大病。発病後10年経過し、振り返りまとめてみました。病と闘った闘病記ではなく、自分自身をどこかに導いてくれる灯台のように感じましたので灯病記としました。


 

脳内出血とその原因・症状・後遺症

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脳卒中について先日レポートしました。

脳卒中の中の一つである脳内出血の原因ですが、

脳内出血は高血圧そのものが原因となるもので、脳内で血管が破れて、出血するものと簡単に説明しました。

 

もう少し詳しくレポートします。

脳内出血とは脳内の血管が何らかの原因で破れ、脳のなか(大脳、小脳および脳幹)に出血した状態をいいます。

出血のために意識障害言語障害、運動麻痺、感覚障害、高次脳機能障害

などの症状が現れます。

 

出血が多いと脳内の圧が高くなって脳ヘルニアを起こし、

重い場合は脳が圧迫されて死に至ることもあります。

近年、脳内出血の死亡数は減ってきましたが、

最大の理由は高血圧の内科的治療が広く行きわたり、

血圧のコントロールが十分に行われるようになったためと考えられます。

降圧剤を服用する人が増えたということだと思いますが、

脳内出血による志望者数は減っても、

降圧剤の副作用によりガン、脳梗塞などによる死亡者数は増えているかもしれません。

 

また最近、脳出血は軽症化していますが、

運動障害や高次脳機能障害などの後遺症で悩む患者さんは減少していません。

 

脳内出血の原因

高血圧が原因で起こる脳内出血が最も多く、全体の70%を占めます。

脳内の細い小動脈に血管壊死(けっかんえし)という高血圧を起因とした動脈硬化が生じ、

これに伴ってできる小動脈瘤(小さな血管のこぶ)が破裂します。

 

そのほか、脳動脈瘤脳動静脈奇形の破裂、腫瘍内出血、

脳の外傷、白血病などの血液障害が原因になることもあります。

同時期に入院されていた方で、遺伝による脳動静脈に奇形があり破裂した方がおられました。

私のように生活習慣病による高血圧が原因なら、多少なりとも自責の念を感じますが

全く自己責任がない場合は本当にお気の毒としか言えません。

 

高齢者では血管の壁に老化現象で不純物が沈着して動脈硬化をおこし、脳内出血の原因になることがあります。

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出血箇所別に分類 

高血圧性脳出血を出血箇所別にみてみると、

1、被殻出血(40%)と視床出血(35%)で、約4分の3を占めます。

2、次いで皮質下出血(10%)、橋(中脳と延髄との間にある)出血(5%)

3、小脳出血(5%)、その他(5%)と続きます。

 

出血箇所別の症状

全般的には頭痛、嘔吐、意識障害、感覚障害、半身麻痺が多くの患者さんにみられます。

出血部位および出血量により症状は大きく異なります。

個人差が大きいので、目安として考えて下さい。

 

 (1)被殻出血

片麻痺、感覚障害、半盲(両眼とも視野の片側半分が見えなくなる状態)

言語障害などが主な症状で、進行すると意識障害がみられます。

入院していたときに同じ部屋の方で、いつも車椅子で左側にぶつかっていることがありました。

外観では全くわかりませんが左側が見えていなかったのです。

 

(2)視床出血

私は右視床出血でした。脊髄へ運動指令が伝わる脳の出口部分の出血です。

運動指令が集中している箇所なので、少しの出血でも症状が重いことがあります。

一般的に出血した脳の反対側に運動障害が現れます。

片麻痺、感覚障害は(1)の被殻出血と同じですが、感覚障害が強い場合があります。

私の場合は顔の左半分、手のひら、足裏に軽いしびれが残っているだけですが、

視床出血では、出血後に視床というひどい痛みが残ることがあるそうです。

 

私もしびれがとれたらどんなにすっきりするだろうと思い

医師にたずねましたが、このしびれ(一種の視床痛です)はとれないそうです。

どうしても我慢できないようなら、開頭手術により、痛みを和らげることができる場合もあるそうですが、

私の場合は、そこまでリスクを負うほどの症状ではありません。

 

 (3)皮質下出血  

頭頂葉、側頭葉、前頭葉などの皮質下におこる出血です。

症状は、軽度から中等度の半身麻痺、半盲、言語障害などがみられます。

 

(4)(きょう)出血  

突然の意識障害、高熱、呼吸異常、四肢麻痺などがみられます。

大きな橋出血の場合は、重傷となります。

 

 (5)小脳出血

突然の回転性のめまい、歩行障害が現れ、頭痛や嘔吐がよくみられます。

 

いずれの症状も日常生活を送るうえで、大きな障害となります。