働きざかりの中高年脳卒中闘病記(灯病記:高血圧は命にかかわる病気です)

46歳にして、突然に襲ってきた脳出血という予期せぬ大病。発病後10年経過し、振り返りまとめてみました。病と闘った闘病記ではなく、自分自身をどこかに導いてくれる灯台のように感じましたので灯病記としました。


 

高次脳機能障害とは?同室の患者は[失語-失認-言語障害]の症状でした

 

入院した部屋は4人の相部屋だったのですが

(個室を利用したかったです)

 

ここで、脳卒中の後遺症が身体だけにととまらず

その人がその人であるための

機能にまで影響を及ぼすことを知りました。

高次脳機能障害」といいます。

 

 

           f:id:syosakoi:20150224123813j:plain

高次脳機能障害は、わかりやすく言えば、

認知症に失語や失効、失認などの障害が加わった障害です。

 

★同室の

 

同室の方は、脳内出血で開頭手術を受けており

出血量も相当多かったと聞きました。

 

毎日、朝からスポーツ新聞を

隅みから隅みまで読んでメモしていました。

 

発症前はスポーツ関係の記事を書く

仕事をされていたようです。

 

言語に障害があるので、

いつも黙々と仕事のように作業をされていました。

 

左側の視野が失認しているため、

よく車椅子で何回も左側をぶつけていました。

 

思いっきりぶつかるので、怒っているのかと思っていたのですが、

見えて(失認:見えているが認識できていない症状

いなかったのですね。

 

脳卒中の場合は、本当に人によって様々な症状がでます。

 

高次脳機能障害とは

 

人が人間らしさを発揮できるのが高次脳機能です。

 

人の脳には、どんな動物にもある呼吸など生命維持に必要な部分や

運動・感覚に必要な部分に加えて、

物を覚えるとか判断するという高度の判断機能を司る部分があります。

これら人にしか存在しない部位が障害されると高次脳機能障害が起こります。

 

 ▼高次脳機能障害の原因

1、脳血管障害

もっとも多いのは脳卒中による脳血管障害です。

障害(出血・梗塞)を起こした血管が脳の機能を破壊します。

2、外傷性脳損傷

次に多いのは、外傷性脳損傷です。

交通事故や転落事故などの際に頭に強い衝撃が加わり、

脳が傷ついたり、脳の神経が傷ついたりするものです。

3、その他の原因

脳炎低酸素脳症などによる脳機能の破壊

 

 ▼発症箇所

視床、前脳基底部、側頭葉内側面(海馬)、左半球、前頭葉下部、側頭葉、角回

両側後頭葉など

 

脳の機能はすべて解明されているわけではありません。

おおまかな発症箇所しかわかっていないのは

おそらく脳のどの箇所に高次脳機能があるのかわかっていないのだと思います。

認知症の原因がはっきりしていないことと同じです。

 

 ▼症状

高次脳機能の中心は認知機能です。

なかでも記憶障害(物忘れ)がいちばん目立ちますが、

それ以外にもさまざまの高次脳機能障害が加わります。

 

(1)失語:発声、聴覚は正常なのに、言葉が出てこない、理解できない。

(2)失行:手足は動くのに、適切な行動(挨拶・手招きなど)ができない。

(3)失認:見えているが感覚的には感知できても、それが何であるかを判断できない。

(4)実行機能障害ことわざの意味の説明や言葉の概念が言い表せないとか、計画の        実行がうまくできない。

 

それ以外にも、判断力、問題解決、社会適応などの重要な高次脳機能もあります。

高次脳機能障害のほうが、認知症より多くの精神障害を含んでいるといえます。

        f:id:syosakoi:20150224124452j:plain

 健康で長生きは誰でも望んでいることだと思います。

それは、その人らしく生きるということが大前提であると思います。

自分が自分でなくなることほど怖いことはありません。

私が発症した箇所である視床も高次脳機能がある箇所のようです。

出血量が少なかったのが幸いしたのでしょう。

 

外観は全く発症前と変わらないので、

周囲もなかなか病気と気づくことができません。

有効なリハビリ方法があるわけではないので、回復もなかなか困難です。

本人はわからないだけに、周囲の理解と協力が必要となります。

 

支援サイトがありました。