働きざかりの中高年脳卒中闘病記(灯病記:高血圧は命にかかわる病気です)

46歳にして、突然に襲ってきた脳出血という予期せぬ大病。発病後10年経過し、振り返りまとめてみました。病と闘った闘病記ではなく、自分自身をどこかに導いてくれる灯台のように感じましたので灯病記としました。


 

なぜ若い人が脳卒中なんかになるのでしょうか

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吉備リハには、脊髄損傷や頸椎損傷の患者さんが多いことに加えて

もう一つ気になったのは脳卒中の若い方が多いと言う事実です。

私は発症したのは48歳でしたが、自分ではこの病気では若い方だと思っていました。

全く次元が違いました。10代後半、20代前半の入院患者さんがたくさんいるのです。

 

それも症状が重い患者さんばかりです。

患者さんで17歳の高校生のご両親と話しをする機会がありました。

彼は、脳幹出血で死んでもおかしくなかったのですが

若く生命力が強いために生き残ったそうです。

言語・咀嚼障害、重度の身体麻痺です。

とても明るいことがせめてもの救いでした。

 

その他にも、通常の車椅子は使用することができず、

電動車椅子の運転練習をしている青年もいました。21歳でした。

 

いったい、何が原因で10代や20代で脳卒中などになるのでしょうか。

脳梗塞を含めた脳卒中は高齢者に多い病気として知られていますが、

45歳頃までに発症した場合を若年性脳梗塞といい、

20代・30代さらには10代でも発症するという例も増えていそうです。

 

 ▼若年性脳梗塞

通常高齢者の脳卒中は、高血圧や動脈硬化によるものが多いのに対し、

若年性脳梗塞では、自己免疫疾患や、奇異性脳塞栓症・もやもや病といった

特異な原因によるものが多いとされています。

これでは、若年性脳梗塞を防ぐ方法はありません。

予防対策としても一般的な高脂血症や高血圧などの生活習慣病を防ぎ

血液をサラサラに保てるように心がけるようにとしか記載されていません。

しかしはたして、10代や20代でそういったことを考えることができるでしょうか。

 

食生活、便利な車社会、電磁波等の影響なのか考えてみても答えはでてきません。

現代社会は若い人の体まで蝕んでしまうのでしょうか。

何かがおかしくなっているとしか思えません。

 

若くして脳卒中を発症してこれから先の長い人生を

重い

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障害と一緒に生きていかなければならないのです。

これからいちばん楽しい時期が来るのにこんな病気になるなんて。

そして自分の子供がもし若くして脳卒中を発症したら、

親は子供に何をしてあげることができるのでしょうか。

同じ年代の子供を持つ親としては、ただ無念としか言えないように思います。

 

吉備リハに入院して、人生の非情・無情・はかなさをひしひしと感じました。

明日今までどおりに体が動く保障はどこにもないのです。

あの青年たちの姿は今でも私の心に大きく残っています。

【神様はその人に乗り越えられる試練しか与えない】という言葉がありますが、

試練というにはあまりにも過酷で重い現実ではないでしょうか。

 

生きるってせつないですね。

何も手を貸してあげることはできません。

私にできることは、ただ彼らの人生に幸多かれと祈ることだけでした。