働きざかりの中高年脳卒中闘病記(灯病記:高血圧は命にかかわる病気です)

46歳にして、突然に襲ってきた脳出血という予期せぬ大病。発病後10年経過し、振り返りまとめてみました。病と闘った闘病記ではなく、自分自身をどこかに導いてくれる灯台のように感じましたので灯病記としました。


 

脳内出血と脳幹出血はどう違うのでしょうか。

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吉備リハで一緒に入院していた

17歳の高校生である彼が発症した脳幹出血について調べてみました。

 

脳幹は脳の一部ですので、「脳幹出血」というのは「脳内出血」という

脳内の血管が破れて出血が起こる病気の一種ということになります。

脳出血の中でも最も重症なのが、脳幹部に出血が起こる「脳幹出血」です。

症状や後遺症は全く別ものといっていいほど、

脳幹出血は致死率も高く、後遺症も激しく強い症状が残ります。


脳内出血は脳卒中全体の約10%ですが、

その脳内出血のうち5%が脳幹出血なので、

脳幹出血は、脳卒中の中でも非常に稀な病気であると言えます。

 

 

 【脳幹とは】
脳幹とは、中枢神経系を構成する器官集合体の一つです。

延髄と橋、中脳と間脳を合わせて脳幹と呼んでいます。

脳の下部に位置し、多種多様な神経から構成されており、

その機能も当然ながら多様であり、

その小さな部分に多数の生命維持機能を含んでいます。

自律神経機能中枢・意識と覚醒に重要な神経路・感覚神経路・運動神経路

が存在しています。読んで字のごとく脳の幹部であります。

 

脳内出血の場合は出血量が多い場合は、開頭手術が行われますが

脳幹は脳神経が多数集まっており、外科的手術は出来ません。

運良く助かっても強い後遺症を残すことが多いのです。

脳幹出血から回復された方の闘病記です。    脳幹出血 闘病体験記

 

しかし、脳卒中の中でも発症が少ない脳内出血の

さらに稀な脳幹出血をなぜ17歳の若い彼が発症するのでしょうか。

仮に高血圧だったとしてもまだ若いので血管に柔軟性があるはずなのに。

脳幹出血の原因も不明な点が多いのでその原因はわからないと思いますが、

はっきりしていることは、彼はこれから残りの長い人生を

重い障害を抱えて生きていかなければならないという現実です。

 

私は、彼の言葉がはっきりしないので言語障害だけかと思っていたら、

話せないということは、舌がうまく動かないので咀嚼もできないのです。

直接肺に入ってしまうので、水を飲むことができません。

特別なゼリーのようなものを飲んでいました。

水さえ自分で飲むことができないのです。

本人もつらいと思いますが、ご両親の心中を思うと

なんて理不尽なことがおきるのだろうと思わざるをえません。

そんな重い障害があっても、とても明るくてやさしい彼でした。

リハビリ室でよく一緒になったのでからかってじゃれあっていました。

 

   

私たちが何でもできてあたり前と思っていることが困難な人はたくさんいます。

脊髄・頸椎損傷の人たちも同じです。

吉備リハに入院してそのことを目のあたりにしました。

私たちは、今という時間に感謝し大切に生きていかなければなりません。

そして、社会全体でこうした人達を援助していきましょう。

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 小説家になりたいと言っていた彼は今も元気でいるでしょうか。