働きざかりの中高年脳卒中闘病記(灯病記:高血圧は命にかかわる病気です)

46歳にして、突然に襲ってきた脳出血という予期せぬ大病。発病後10年経過し、振り返りまとめてみました。病と闘った闘病記ではなく、自分自身をどこかに導いてくれる灯台のように感じましたので灯病記としました。


 

脊髄損傷・頸椎損傷のリハビリ専門病院に転院しました。

私が転院したのは、

国立吉備高原職業リハビリテーションセンター(通称:職リハ)が併設された

独立行政法人 労働者健康福祉機構吉備高原医療リハビリテーションセンター

(通称:吉備リハ)です。

岡山県の真ん中にある加賀郡吉備中央町の 吉備高原都市 にある病院施設です。

 

併設されている職リハとともに、

リハビリから職場復帰までを目指した一貫障害者支援施設です。

民間施設ではなく、独立行政法人運営の公共施設です。

私は、吉備高原都市に10年近くも住んでいながら、

吉備リハのことはあまりわかっていませんでした。

 

自分が入院してみて改めてその素晴らしさがよくわかりました。

何より土地が広いので、市街地の病院では考えられないような施設になっています。

病棟は2階建てですが、2階は一部病室があるだけで

診察室・リハビリ室などの病院施設は全て1階です。

 

とにかく平面で広いので、病室からリハビリ室に行くだけでも

けっこうな運動になります。

2階の病室に上がるのも、エレベ-タ-はもちろんありますが、

緩やかな長いスロープが利用できるようになっており、

車椅子を使って自力で昇ろうとするとそれだけでリハビリになります。

通路の幅は通常の病院の倍はあります。

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検査設備も急性期病院ではないので、けっして使用頻度が高いとは思えませんが

CTはもちろんMRIも完備されています。

私も入院にあたっては、再度検査を行ってもらいました。

 

入院時にはまず、ケアマネージャーによる面談が行われ

介護保険の適用・利用方法・自宅の改造の必要性などの話し合いが行われました。

リハビリだけでなく、社会復帰後の生活支援も念頭におかれています。

 

リハビリ室もこれまた広く、以前に入院していた病院と比べて

5倍くらいの広さがあります。

リハビリベットとは別に、確か直線で25mの歩行タイムが測定できるスペースが

確保されていたと記憶しています。

またリハビリ室は中庭に隣接しており、段差なく自由に出入りすることができます。

 中庭の利用はリハビリのメニューの一部でもあります。

 

OTのリハビリ室には、OT用のトイレ、浴室が設置されてあり

実際に手すりや補助用具を使用して、

どの程度日常生活をおくることができるのか確認することができます。

車も運転席の部分が設置されており、リハビリとして利用されます。

パソコンも数台設置されており、ネットに接続されているので、

OT中に病気についての検索も可能でした。

 

PTの施設としては室内温水プールもあります。

肢体が不自由な方でも入れるように、介助リフトが備え付けられています。

週2回くらい利用が可能で、その際には一般の方にも開放されています。

転院当初はプールに入る余裕はありませんでしたが、

慣れてきてからは頻繁に利用しました。

いつもは動かすことの重い体が水の中では軽くなるのが気持ちよく、

リハビリにはとても有効だと思いました。

 

やはり国の施設(独立行政法人)ですから、

民間の病院とはまったくレベルが違います。

 

入院当初、3日間くらいかけて高次脳機能障害に関する検査が行われました。

体の障害は自分でもわかることですが、

この脳内部の障害は自分で自覚することができません。

何か障害があっても自分では自覚することができないのですから

こんなに怖いことはありません。幸い異常はなく一安心でした。 

 

入院してみると脳卒中の患者さんより

脊髄損傷や頸椎損傷の患者さんが多く見受けられました。

入院している患者さんの割合は概ね

        

検索してみましたが、日本全国の中でも脊髄・頸椎損傷専門の

リハビリテーション施設は少ないと思われます。

民間施設でとても採算のとれる事業ではないと思います。

吉備リハHPの右上に脊髄損傷の患者さんへのメッセージが記載されています。

病院のご紹介 脊髄損傷を負われた方とそのご家族へ

 

こういった記載を他の病院のHPで見たことはありません。

脊髄損傷は、身体の麻痺と共に合併症にも注意が必要です。

専門知識のあるスタッフのきめ細やかなケアが必要とされてます。

一般のリハビリ専門病院ではなかなか対応は難しいのではないでしょうか。

 

また職業リハビリテーション施設が併設されていることは

社会復帰に向けて力強い支援になると思います。

 

私のような脳卒中のリハビリ程度ならどこに入院していても、

そんなに大差はないと思いますが、脊髄・頸椎損傷は全く別物だと思います。

 

脊髄・頸椎損傷の方はどうぞHPを確認していただいて

吉備リハを利用していただいて

少しでも不安や負担を少なくしていただけたらと願っています。