働きざかりの中高年脳卒中闘病記(灯病記:高血圧は命にかかわる病気です)

46歳にして、突然に襲ってきた脳出血という予期せぬ大病。発病後10年経過し、振り返りまとめてみました。病と闘った闘病記ではなく、自分自身をどこかに導いてくれる灯台のように感じましたので灯病記としました。


 

回復がすすまないPT(足首が動きません)

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PTの担当はOT担当の女性とは違って若い男性です。

機能の回復訓練なので支える力が必要ですから、

男性が多いのかと思っていました。

若い方ですがとてもしっかりした明るい好青年でした。

  

ところで、上肢の方は日々少しずつですが回復が目に見えて確認できたので、

訓練室以外でも軟らかいボールを握ったりして

意欲的にリハビリに取組ようになり、ますます回復していきました。

しかし、上肢に比べて下肢の方はなかなか意思に反応してくれません。

 

PTではまず、リハビリベットに仰向けに寝ます。

そして、PTの方が膝の屈伸を手助けしてくれます。

最初は下半身に力が全く入らないので、PTの方に動かしてもらうだけです。

 

次にPTの方が曲げた膝を自分で伸ばすために力を入れます。

勢いよく蹴るのですが、最初は全く勢いはなかったと思います。

PTの方が曲げてくれた膝を伸ばす訓練を繰り返し行いました。

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 それを1週間くらい繰り返していると、しだいに力が入るようになり

何とかゆっくりですが自分で膝の曲げ伸ばしができるようになりました。

それに加えて膝を伸ばしたままで、

足を上に持ち上げることもできるようになりました。

 

2週間から3週間経過してようやく大まかな足の動きはできるようになりました。

 問題はその先です。

皆さん自分の体を考えてみて下さい。

 

歩くときに足首を持ち上げようと意識しているでしょうか。

足の小指に動くようにと指令を出している認識がありますか?

膝を挙げると同時に何も意識しなくても

足首も自然に上がっているのではないでしょうか

足首があがれば、意識しなくても足の小指も上がっていると思います。

 

つまり一歩歩こうとすると

膝をあげる

    ↓

足首が同時に上がる。

    ↓

足の小指も上がっている

これを意識することなくできることにより歩行できるわけです。

 

リハビリ訓練で、足の親指は上に上げようと力を入れることは可能です。

しかし、足の小指はいくら力を入れても

親指と一緒に動くだけです。

つまり、手の指のようなリハビリ訓練することは

足首や足の指にあてはめることができないのです。

 

今の私の状態は、膝は比較的思いどおりに伸ばしたり曲げたりできるのですが、

足首は膝と一緒に持ち上がるだけで

足の小指が十分上がらず、足の小指側が斜め下にぶら下がった状態です。

そのため3週間くらい経過しても歩行訓練までいきませんでした。

 

10年たった今もそうなのですが、

足首が十分に上がらないので、左足をまっすぐ

スムーズに踏み出すことができません。

足を外に振り回して前に踏み出す状態です。

これを「ぶん回し」といい、麻痺の後遺症でよくある症状だそうです。

 

麻痺の後遺症の方の歩き方をみるとよくわかります。 

この足首のリハビリには本当に苦労しました。

 

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