働きざかりの中高年脳卒中闘病記(灯病記:高血圧は命にかかわる病気です)

46歳にして、突然に襲ってきた脳出血という予期せぬ大病。発病後10年経過し、振り返りまとめてみました。病と闘った闘病記ではなく、自分自身をどこかに導いてくれる灯台のように感じましたので灯病記としました。


 

半身麻痺のリハビリ開始!車椅子移乗がまず目標!人間の体の神秘を痛感

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半身麻痺のリハビリは、

動けないベットの上で始まりました。

 

理学療法士の言われるには、

まず、車椅子に移乗するのが目標だそうです。

 

そうすれば、自分でトイレにも行けるし

売店にもいくことができます。

 

行動の幅は大幅に広がります。

 

しかし、その時の私は、

自分で、上半身を起こすことはできないので

どのようにして車椅子に移乗できるか

考えることもできませんでした。

 

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人間の体の神秘

 

しかし、人間の体は全く不思議です。

まさに神が作ったとしか思えませんでした。

 

 

左半身は全く動きません。

 

しかし、その左半身内にある

内臓の機能には全く支障がないのです。

 

確かに肺や胃が、体と同じように

麻痺していたら大変なことですが。

 

全く別系統の指令で動いているのですね。

 

内臓に支障がないのと右手に麻痺はないので

食事は、入院当初から、普通に食べることができました。

 

もちろんあまり美味しいものではありませんが。

 

最も苦しかったのは、

ベットの上でする大便のほうでした。

 

経験されたかたならお分かりになると思います。

小便は、尿瓶で処理できていました。

 

起き上がれないことには、

トイレにはいけないし、

ポータブルトイレにも、

移ることはできませんでした

 

まさか、あんな格好でさせられるとは、

思ってもいませんでした。

 

とても力が入るものではありませんし、

終わったあとの爽快感もありません。

 

また、看護婦さんに処理を頼むのも

何ともミジメに感じられました。

 

余談ですが、2年前父親が癌で入院していた時、

亡くなる前に緩和ケア病棟に写りました。

 

大部屋から個室に移り

トイレを他の入院患者さんに

気にせずにできるようになったことを

とてもよろこんでいたのを思いだしました。

 

あの時の父の気持ちがよくわかりました。

「人間誰でも食べた以上出さなければならないのです。」

そして、このことは看護される側にとって、

人間の尊厳に関する重要問題であることが、実感できました。 

 

2週間後ベッドから車椅子に移り、

自分でトイレにいき大便のできた時のうれしさは、

今でも忘れることは、できません。

 

汚い話で申し訳ありません。

しかし、これが現実なのです。

 

また、差額費用の関係で利用できなかった

個室のありがたさも身にしみてわかりました。 

 

入院当初は経過観察が必要なため、

看護婦詰所すぐ隣の大部屋に入れられました。 

 

ということは重病患者さんが入っているということです。

私の場合も夜中に定期的に処置が必要な患者で

やっと寝付いたと思ったら

その処置の音で起こされてしまうのです。

 

昼寝てしまうと夜なれなくなるので

できるだけ昼は起きているように努めました。 

夜途中で起こされるともう寝ることはできません。

体の症状もそうですが、この大部屋特有のデメリットは

精神的にきついものがありました。

 

少し回復してから、

看護婦詰所から遠く離れた病室に移ることができました。 

まるで、天国に行ったように感じました。

 

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